第二次世界大戦当時の兵士や戦後の強制抑留、市民生活などに関する資料の実物(レプリカ)を手にしながら、オンラインによる学芸員の授業を聞くことができる、東京・西新宿の平和祈念展示資料館の新しいスタイルの「オンライン平和学習支援プログラム」が2月から始まった。プログラムの対象は小学生(5年生以上を推奨)から大学生までと幅広く、平和学習や道徳教育、総合的な学習や社会科などで活用が考えられる。
授業は同館の常設展示に合わせ3テーマ(「兵士」、「戦後強制抑留者」、「海外からの引揚者」)から選ぶことができる。各テーマの授業内容と資料は次の通り。
▼兵士=「赤紙きたる―戦争に巻きこまれた兵士と家族―」=赤紙(臨時召集令状)を糸口として、兵士と家族がどのように戦争へ巻きこまれていったのかを学ぶ。
《貸出資料》赤紙、千人針、慰問袋(中身入り)、軍装品、陣中鏡(弾除けのお守り)、認識票など(約10点)
▼戦後強制抑留=「命を支えた物語―シベリアの戦後強制抑留者―」=終戦後に始まった抑留生活と、日常的な飢えと寒さに耐えた抑留者の命を支えたものを通じて、シベリアの戦後強制抑留者について学ぶ。
《貸出資料》抑留者のコート、黒パンとふくろ、飯ごう、手作りの食器類、俘虜用郵便葉書など(約12点)
▼海外からの引揚げ=「日本をめざした母と子―海外からの引揚者―」=敗戦後に、満州から日本に帰ろうと努力した母子たちを通じて、海外からの引揚者について学ぶ。
《貸出資料》リュックサック(中身入り)、手提げぶくろ、胸章(衣服に縫い付けた名札)、引揚証明書、おむつで作ったワンピースなど(約8点)
授業はZoomを活用し、自分達の教室で約40~50分間。10人~30人が目安。原則として火曜日から金曜日の10時から17時(祝日、同館休館日を除く)。
資料貸出、学芸員の授業費用は無料だが、資料の往復送料実費は申込者の負担となる。資料の貸出期間は原則7日間。
電話 03-5323-8711 FAX 03-5323-8714
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教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年2月21日号掲載