コロナ禍で多くの学校が中止、延期、予定変更等を余儀なくされた修学旅行等だが、この間、修学旅行等には他で得られない教育的な意義があること、学校だけで実現できるものではないことなど、見えてきたものもある。(公財)全国修学旅行研究協会(=全修協、岩瀬正司理事長)が7月20日、東京・学士会館からオンラインで開催した「第38回全国修学旅行研究大会」では、昨年度の状況、予定変更の中で実施された修学旅行の実践報告などが行われた。
「学びの集大成を図る修学旅行~大震災、コロナ…そして修学旅行」をテーマに開催された研究大会で、同協会理事長・岩瀬正司氏は、コロナ禍の修学旅行だが教育的意義の重要性、学校単独では実施できない教育活動であることの再認識ができたと述べた。
「文部科学省が重ねて発した『修学旅行は中止するのではなく延期や変更等を工夫して実施する方向で』という文書に見られるように、修学旅行の教育的意義の重要性が再確認された」「修学旅行は学校単独では実施できない、旅行会社を始めとする輸送・宿泊・食事・見学・体験等の諸機関・施設の協力があって初めて成立する教育活動である」ことが明らかになったとまとめた。
さらに文科省初中局児童生徒課長・江口有隣氏は、来賓あいさつの中で修学旅行の価値に触れ「学習指導要領では学校行事の特別活動に位置付けられ、日常では得られない感動や実体験を共有できる等の教育的意義があり、コロナ下でも重要な教育活動であることは変わらない」と実施の意義を強調した。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年8月16日号掲載