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教育旅行

教育旅行で学ぶ防災

2021年8月16日

東北6県と新潟は、歴史・文化、自然をはじめ豊かな教育素材がある。特に今年は東日本大震災から丸10年を迎え、「震災学習」「防災・減災学習」の新たな教育プログラムが誕生。さらに注目のSDGsも学べるようになっている。東北観光推進機構・事業推進部 教育旅行担当の髙橋健一氏より寄稿頂いた。

「こころ」と「いのち」の東北まなび旅
【寄稿】(一社)東北観光推進機構

だからこそ 東北で学ぶ

東北観光推進機構は、「東北観光の認知度向上」と、「国内外からの観光客誘致」を推進し、観光産業の振興と東北経済の発展に寄与することを目的に、官民の力を結集して2007年に設立された。「東北6+新潟県」をマネジメントエリアとし、各種施策に取り組んでいる。教育旅行は独自のキャッチフレーズ「こころ」と「いのち」の東北まなび旅をテーマに、各種セミナーや旅行関係者の招請などを実施している。

東北で「学ぶ」ことは、「生きる力」を育てることでもある、と考えている。私共が教育旅行を誘致する目的として、①「生きる力」を育てる為に、東北の文化・歴史を探究して欲しい。②「生きる力」を育てる為に、震災・防災・減災について探究して欲しい。③「生きる力」を育て、将来の日本の未来を担う人材に育って欲しい、という3つの思いがある。

「震災」学習は進化
探究学習×SDGs

震災・防災・減災について学ぶ施設や体制も整っている。写真は「いのちをつなぐ未来館」(岩手県釜石市)

2021年、東日本大震災より丸10年を迎えた。東北はまだ復興途上だが、全国の皆様から多大な「応援」や「ご支援」を頂き、ここまで復興する事ができた。改めて御礼を申し上げたい。

東北でしか出来ない「震災・防災・減災」の学びは進化している。震災直後は「震災の恐ろしさ」や「復興に進む東北の姿」など「震災学習」が中心だったが、現在は「震災遺構」や「語り部」などが各地で整備され、受入体制が整ってきた。「なぜ、生きる事ができたのか」といった経験を活かした「防災学習」や、万が一に備える「減災・防災学習」のニーズも増え、福島県の「ホープツーリズム」、宮城県の「学校と連携したプログラム」、岩手県の「震災学習列車」等、新たな教育プログラムも誕生している。

「持続可能な水田農業を支える『大崎耕土』の伝統的水管理システム」は、世界農業遺産に認定(写真提供:宮城県観光プロモーション推進室)

教育旅行のもう1つの柱は「探究学習」や「SDGsプログラム」。東北における探究は、子供たちの「なぜだろう」の疑問に対して、“本物にふれることができるのが特色だ。また「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」に対し、子供たちが課題を設定し、疑問を解決し、答えを導く、真の「学びの場」が東北各地にある。

2021年の東北

昨年は、コロナ禍によって各学校の修学旅行先が変更になり、「東北」を初めて経験する学校が大幅に増えた。大変厳しい状況の中、東北への教育旅行を選択して頂いたことに感謝している。

本年はより「安心・安全」な旅行および「衛生管理」を心掛け、皆様に安心して教育旅行を実施頂けるように取り組みつつ、「学びの場としての東北」の魅力を発信していきたいと考えている。

詳細=東北教育旅行HP「東北まなび旅」https://www.tohokukanko.jp/manabi/index.html

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年8月16日号掲載

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