大江戸高等学校は、今年2月に2年次が予定していた沖縄への修学旅行を、新型コロナウイルス感染症の影響から6月に延期。3年次になってから実施する予定だったが、状況が改善しないことを受け、5月の時点で中止を決定。沖縄への事前学習を行ってきた生徒の努力を無駄にしないため、ワールドスキャンプロジェクト(以下、W.S.P)が提供する「3次元バーチャル修学旅行」を実施した。
3次元バーチャル修学旅行1日目となった6月17日はVRゴーグルで沖縄の海を体験。ファシリテーターを務めるのはW.S.Pの井上創太氏。全6クラス・約180人の生徒が2クラスずつ3会場に分かれてZoomで受講した。
生徒は各自のスマートフォンでQRコードを読み取り、YouTubeアプリでVR用画面を再生。生徒に1台ずつ渡されたVRゴーグルにスマートフォンを装着し、同社が水中ドローンを使って撮影した沖縄の海底の画像を体験した。
動画の再生時間は約10分間。再生中にゴーグルを装着している生徒が頭を動かすと、その動きに合わせて見ている映像も変わる。平和学習の一環として、1945年に日本軍により沈められたアメリカ軍の掃海駆逐艦「エモンズ」が沈んでいる様子を体験した。
後半のワークショップでは、多くの死者を出した第2次世界大戦から、何を学ぶべきかをテーマにグループで話し合った。ドローンも軍事利用から生まれたものだが、今では多くの分野で活用されている。生徒は世界中の人が平和で安全な暮らしをするために、ドローンのルールを考えた。
「爆発物・可燃物などを搭載しない」「人や動物を傷つけてはいけない」などドローンを平和的に利用するためのルールが出された。同じものでも武器にもなれば、人を救うこともできると学んで授業は終了した。
3次元バーチャル修学旅行2日目の6月18日、生徒はドローンの飛行体験に挑戦。体育館で手のひらサイズの超小型軽量で安全なドローンの操縦を、すべての3年生が体験した。生徒にとって初めてのドローン操縦となったが、緊張しながらも全員がドローンの飛行に挑戦した。
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W.S.Pの「3次元バーチャル修学旅行」は同社のドローンや撮影した遺跡などの画像を活用して、全国の小・中・高等学校などに向けて展開。新型コロナウイルス感染症の影響で修学旅行を中止した学校に対して、「VRゴーグルを用いた世界遺産の探検と調べ学習」や「小型ドローンを使用したドローン飛行体験」などを実施。
3次元バーチャル修学旅行=https://world-scan-project.com/robot-service/
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年7月19日号掲載