修学旅行の学習スポットや体験プランを紹介する「2020年度 東北教育旅行セミナー」の第2回が1月21日にオンラインで開催された。(一社)東北観光推進機構が主催。東北各県と新潟県の新型コロナウイルス感染者は、全国に比べて少ない。陸路・近距離で移動しやすい東北地方は、学習素材も多く、探究学習でも「探究学習SDGsプログラム」と「震災・防災・減災学習」などが充実している。
東北地方の学びは探究素材が豊富。自然・環境を学び、農林漁業・民泊の体験で地元の人々とふれあい、歴史と文化を学び、見識を広げられる。東日本大震災の記録や記憶を通じた学びから震災・防災・減災における「生きる力」が深まる。
東日本大震災から10年を経て、「なぜ生き残れたのか」を考える減災・防災学習が充実。宮城県松島町の「松島復興語り部クルーズ」は船で島々をめぐりながら、復興の歩みや防災・減災へのアドバイスなどを伝える探究型学習が注目される。
東北の教育旅行情報が簡単に検索できるWebページ「東北まなび旅」で最もアクセス数が多いのは「モデルコース」。既存の65コースに追加され現在100コースを収録。パワーポイントの行程表もダウンロード可能だ。学習・体験スポットの学習素材は213件が登録されている。そこから画像もダウンロードできるので、資料作成に最適だ。
青森県は、「『深』探究プログラム」を提供。工場見学や街歩き体験、工芸品製作などスタディーツアー(2~3時間)、少人数グループにファシリテーターが加わり議論をするワークショップ(3時間)で構成されている。
岩手県における復興道路・復興支援道路は、2020年度中に一部の区間を除き、開通する予定だ。急勾配や急カーブも解消されているため、以前よりも乗り物酔いなどが緩和される道路が作られる。
秋田県では、国重要文化財「康楽館・小坂鉄道レールパーク」で、鉱山文化を体験して学ぶ探究プログラムが行える。「史跡 尾去沢鉱山」や「小坂鉱山事務所」では当時の歴史を映像・音響で視聴できる。自然の中にある天然資源と経済成長について学べるため、SDGsを幅広く学べる素材にもなっている。
東北中央自動車道は昨年4月に福島県福島市~山形県米沢市・山形市・東根市までがつながり、山形県だけでなく、福島県や宮城県も含めたコースづくりができる。
山形県の「鶴岡市立加茂水族館」では、クラゲの生態・分類や繁殖などの不思議を学べる。同館バックヤード見学のほか、地引き網や貝殻キャンドルづくりも体験できる。
東北まなび旅 – 東北の修学旅行・教育旅行サイト (tohokukanko.jp/manabi/)
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年2月15日号掲載