京都府福知山市では、「非接触自動スタンプラリーin福知山」を1月31日まで開催中。位置情報システムを活用し、カードを持って歩くだけで、市内の飲食店や史跡、公的施設、宿泊施設をめぐるスタンプラリーに参加できるもので、コロナ禍における観光施策として注目される。また「LINEでなぞとき×福知山まちあるき」も同時開催。市内を巡り、LINEアプリのゲームで謎解きを楽しむ。明智光秀が作ったまちであり、また「肉とスイーツのまち」として、同市の魅力を広く発信している。
イベント「非接触自動スタンプラリーin福知山」は、観光庁の「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業の採択を受け、「あたらしいツーリズム」の一環として実施されるもの。
福知山市は、明智光秀が福知山城を築いたことから発展した。2020年のNHK大河ドラマで注目度も高まり、福知山城を訪れる人も増えている。同市が「肉とスイーツのまち」であることも大きな魅力で、城を訪れた観光客への周知をより一層図ることが求められている。
一方で、withコロナ時代の観光では、「特定の日に集まる」「不特定多数の人が触るスタンプなどを使う」というイベントは推奨しづらい。そこで今回導入されたのが、位置情報システムを活用し、参加者が専用カードを持ち歩くだけで、非接触のまま自動的に行った場所が記録されるスタンプラリー。スマートフォン等も必要なく、小さな子供やスマートフォンが苦手な人でも楽しめる。2か月間開催し、平日や土日祝日に関わらず1日に先着150人まで、密を避けて自由なタイミングで参加できる。
本事業を企画したクロスボーダー(株)の菅原豊氏は「町を知りながら、電気が光る。社会科と理科の実験を一緒に行う感覚のようです。平日の授業にも活用して欲しい」と話す。
スタンプラリーの出発地点は、JR福知山駅にある福知山観光案内所。受付を行い、ゲームカードを首から下げて市内へ向かう。
市内46か所(12月1日時点)に発信機が設置されている。設置場所は、福知山城をはじめ神社や寺、日帰り温泉や、博物館などの公的施設、スイーツや焼き肉などの飲食店、ホテルなど。参加者は受付時に渡された一覧表を見ながら市内を回遊する。設置場所の発信機に近づくとカードが反応して光り、ゲーム感覚で楽しめて好評だという。
福知山城や駅の周辺では1、光秀公ゆかりの場所は3、遠い場所は4、5とポイントを設定。訪れるとクラウド上に記録され、最後に福知山観光案内所にカードを返却する際、何か所行き、合計ポイントが分かる仕組みだ。10ポイント以上になると福知山観光協会から記念品が進呈される。
なお、若者層をターゲットにした企画として、スマートフォンを活用した「LINEでなぞとき×福知山まちあるき」も開催中。LINEゲーム「幻のスイーツレシピ」「知将光秀からの書状」の2つで謎解きをしながら市内を巡ることを通じて、食の魅力や明智光秀の功績などが学べる。
12月1日に始まったスタンプラリーは、7日までに113人が参加した。親子でそれぞれ1枚ずつカードを持つ家族連れや、レンタサイクルで市内を駆け巡るなど、思い思いのスタイルで参加。23ポイント獲得する人も現れた。市街の中心地から離れた場所にある「日本の鬼の交流博物館」も映画のブームもあり人気スポットだ。
※詳細はFacebook「明智光秀がつくった福知山」で情報発信中
教育家庭新聞 新春特別号 2021年1月1日号掲載