科学と暮らしの視点からエネルギーについて学べる施設「がすてなーに ガスの科学館」が、昨年10月1日にリニューアルオープンした。これからの社会について考えられるよう、デジタル技術も導入して展示を刷新。また、ユニバーサルデザイン化にも配慮している。
「がすてなーに ガスの科学館」は、東京ガスが運営する企業館で、2006年に開館。これまでに350万人が訪れ、学校団体も小学校3、4年生を中心に多く受け入れてきた。
開館から10年以上経過し、今回「エネルギーを考え、これからの暮らし・社会を学び、未来をソウゾウしよう」をテーマにリニューアルした。「エネルギー・環境は普遍的なテーマだが、より『共生社会を目指す』といった視点で見直した」(東京ガス・広報部広報グループ賀茂彩子主任)。
1F「エネルギー」「防災」、2F「環境・食」「暮らし・社会」の4つのゾーンに分け、デジタル技術を活用し、AR(拡張現実)を取り入れたり、チームラボ監修による最新のテクノロジーを導入した展示で、目に見えないエネルギーやスマートタウンを映像化・可視化。直感的に体験し、学べるようにした。
館内の体験を通して期待したいのは、共生社会の実現や、地球温暖化といった社会課題について、来館者が「自分ごと」として受け止め、未来について考えることだろう。各展示のパネルには、該当するSDGsも表示。車いすの生活体験、店でメニューを選ぶ疑似体験でフードマイレージを知る、エネルギーを効率よく利用することなど、楽しみながら学べる仕掛けが満載だ。
ユニバーサルデザインの刷新もリニューアルの大きなポイントだ。社内外の障害者や有識者から意見を集め、点字ブロックの配置や、パネルの文字の大きさや色を見直したほか、障害のある人が体験できるコーナーを増やした。リニューアル以降、福祉関係団体の来館もこれまで以上に増えているという。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年2月17日号掲載