(一社)九州観光推進機構は、「2019年度九州7県合同修学旅行説明会・相談会」を8月6日に都内で開催した。今年度からはモデルコース方式で九州地方7県の教育旅行素材が紹介され、学校関係者や旅行会社が多数参集した。
コンパクトな行程で各プログラムの時間を十分に確保できるコースで、視点を変えた戦史学習ができる。
初日は福岡県で太宰府天満宮や九州国立博物館、筑前町大刀洗平和記念館を見学する。2日目は大分県で、農家民泊ホストと町探索を行う班別行動「GEPプログラム」を実施する。3日目は別府地獄めぐりや地獄蒸し体験を行い、大分空港へ向かう。
このコースのポイントは、有明海や唐津の自然を活かした体験素材と対話型学習にある。
初日は吉野ヶ里歴史公園から、板の上に乗って泥を滑る「ガタスキー」などの干潟体験を道の駅鹿島で行う。
2日目は原爆資料館・平和公園の見学後、長崎の学生がコーディネーターを務める対話型プログラムを実施。対話的に知識の習得や意見の共有を行う。Skypeを活用した事前学習から学生が関わるため、修学旅行で現地に行くと生徒と学生が顔見知りとなっている。班別学習は長崎市内で行う。
このほか、田島での無人島体験が、長崎の新素材として登場している。
霧島連山での体験学習が魅力的なコースだ。
初日は宮崎県の青島ビーチでマリンスポーツ・ものづくり体験を行い、星空観察やホタル観賞ができる北きりしま田舎物語推進協議会で農家民泊。2日目は高千穂牧場で乳搾りなどの酪農体験やバイオマスプラント施設見学を行い、地図とコンパスを用いたチーム競技「キリシマクエスト」を楽しむ。3日目は歴史学習施設が集中する鹿児島市で班別学習を行う。
特攻を通して平和を学び、熊本地震の教訓を学ぶコースを提案。
初日は鹿児島空港から移動し、知覧特攻平和会館を見学する。2日目は桜島フェリーで2時間の貸し切りクルーズを行い、船内を見学。午後からは北薩地区での農家民泊で体験学習を実施する。3日目は熊本県に移動し、益城町が得た震災の教訓を学ぶ。4日目は修繕中の熊本城を見学。
東京都立板橋高等学校(川口元三校長)は、長崎・佐賀・福岡方面をめぐった昨年度の九州修学旅行事例を発表した。
初日は福岡空港からハウステンボスへバスで移動し、班別行動を実施。異国情緒あふれる施設を「長い列に並ぶことなくめぐることができた」と生徒たちは喜んだ。
2日目は長崎県の原爆落下中心地へ移動。原爆資料館を訪れ、被爆者の講話を聴いた。涙ぐむ生徒も見られたという。
3日目は「軍艦島コース」「長崎市内コース」などのコース別行動を実施。防災教育にも力を入れているため、砂防みらい館と土石流被災家屋保存公園を見学した。
最終日は午前に吉野ヶ里歴史公園をめぐり、午後は太宰府天満宮を見学。初日と最終日はバスの中で昼食だった。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年9月23日号掲載