発泡スチロール協会および(一社)豊洲市場協会は、2月18日に豊洲市場リサイクル施設見学会を行った。発泡スチロールを魚箱として多用する豊洲市場では、リサイクルに積極的に取り組んでおり、毎日8トンを再資源化処理している。
昨年10月に築地から移転した豊洲市場は、青果棟のある5街区、水産仲卸売場棟のある6街区、管理施設棟と水産卸売場棟のある7街区、総面積40万7000㎡。これは築地市場の総面積の約2倍にあたる。
市場で魚箱に用いられる発泡スチロールには優れた断熱性と緩衝性があり、保冷しながら水産物の破損を防いでいる。
見学会が行われたのは7街区の水産卸売場棟に隣接するリサイクル施設棟(産業廃棄物集積所)A棟。同協会は豊洲市場に発泡スチロールのリサイクル処理機を寄贈している。処理施設は6街区と7街区に2ラインずつ設置、毎日稼働する。
処理機は火器を用いず、摩擦熱で顆粒状になった発泡スチロールをプレスし圧縮することで、発泡スチロールのインゴットとして再生産する。
参加者は、集積される大量の発泡スチロール容器に圧倒されていた。
再生産されたインゴット状の発泡スチロールは主にマレーシアなどの海外企業へと買い取られ、ペレット等に加工後、中国へ輸出されている。
築地市場での廃発泡スチロールの処理実績は平成29年度で1926トン。この値は市場の魚の取り扱い実績によって増減し、昨年は微減した。一方で廃発泡スチロールの売り上げ収入は平成29年度で4468万9676円と増加している。
発泡スチロール協会は2008年から、「シロクマキャンペーン」を毎年実施している。国内の動物園や水族館で飼育されているシロクマへ、新鮮な魚を発泡スチロール容器に入れてプレゼントする催しで、環境にやさしい発泡スチロールのPRがねらいだ。
昨年9月には友好イベント「ロシアにおける日本年」で同キャンペーンをロシアで初開催。モスクワ動物園のシロクマへ発泡スチロール容器に入った魚が贈呈された。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年3月18日号掲載