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教育旅行

現代に生きる水戸藩の歴史 校外学習で深い学び<茨城県>

2018年11月19日
明治150年記念講演会で行われたパネルディスカッション

明治150年記念講演会で行われたパネルディスカッション

激動の幕末期、将来を見据えて国難に立ち向かった水戸藩の徳川斉昭公と、日本の舵取りを担った息子の慶喜。茨城県には水戸藩の歴史の痕跡を数多く見ることができる。そこで今回、現代に生きる水戸藩の歴史を巡るツアーに参加し、その魅力を体感した。

まずはホテルレイクビュー水戸で開催された明治150年記念講演会。米国・イェール大学博士研究員のマイケル・ソントン氏による基調講演「アメリカの研究現場から見た明治維新と水戸」を聞いた。講演後は清真学園高等学校・中学校の稲葉寿郎教諭も加わりパネルディスカッションが行われ、近世から現代まで続く水戸の魅力が語られた。なお稲葉教諭は、水戸の歴史の本をまとめる「水戸ど真ん中再生プロジェクト」に関わっている。

弘道館で生徒たちが案内

弘道館で生徒たちが案内

昼食は黄門料理を提供する「とう粋庵」へ。チーズや餃子を日本で初めて食べたという二代藩主・光圀公の食文化の記録等から調理方法の研究を重ね、現代人の味覚に合うよう復元されている。

昼食後は稲葉教諭と清真学園高等学校の生徒の案内のもと、各施設を見学した。梅の名所・偕楽園では、大杉森や孟宗竹林の陰の世界と、中門を抜け好文亭へと続く陽の世界を体感。二層三階建ての好文亭で3階の楽寿楼から眼下に広がる千波湖や田鶴鳴梅林などの雄大な景色を堪能した。

弘道館で展示している「大日本史」

弘道館で展示している「大日本史」

弘道館は、九代藩主・斉昭公が開設した藩校。平成27年には「近世日本の教育遺産群―学ぶ心・礼節の本源―」の構成文化財の一つとして日本遺産に認定された。光圀公が編纂させた「大日本史」も展示。水戸学の礎を築いた光圀公の伝統が引き継がれていた。

歴史を肌で感じたのが、水戸黄門でお馴染みの格さんのお墓見学。光圀公が藩士のために建てたと言われる常磐共有墓地で見ることができる。

各施設では、水戸藩の儒学教育を基盤とした先人の考えに触れることができ、校外学習として現地に訪れることで、歴史と文化について関心を高め、より深く学ぶことができる。

 

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年11月19日号掲載

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