(一社)長野県観光機構は、7月に東京・大阪で教育旅行関係者を対象とした「平成30年度長野県学習旅行誘致説明会」を開催した。平成25年度から右肩上がりが続く、教育旅行受け入れ児童生徒数の動向が発表され、「長野県ユニバーサルツーリズム」などの新たな教育旅行の形が提案された。
平成28年度の来訪学校数は、計4593校。前年度の4378校に対して215校の増加となった。児童生徒数は計86万3862人で、1万1986人の増加。特に中学校の来訪が増えており、前年度より228校多い1843校が来訪した。
宿泊地域別に見ると、小中高ともに「上田」が最も多く、全体の33・2%を占める。次いで北信(28・8%)の割合も高い。宿泊地に絞ると、菅平高原(28・2%)、志賀高原・北志賀高原(23・4%)の順。どちらもスキー教室の実施が多くを占めている。一方、小学校は上田地域内(21・1%)、志賀高原・北志賀高原(18・6%)の順に割合が高く、菅平高原は8・7%に留まる。
同県では、障害など特別な配慮が必要な児童生徒と健常児童生徒が共に学べる、「インクルーシブ野外教育旅行」を提案する。信州大学が開発した野外におけるインクルーシブ教育プログラムを、県内で実施される各学校の野外活動に提供している。運動が苦手、歩行が困難な人のための着座式スキー(デュアルスキー)や、水陸両用のアウトドア用車いす「ヒッポキャンプ」など専門機材を使用し、活動中は専門研究員がサポートする。障害当事者だけなく、健常児童生徒や教職員への教育効果も期待される。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年8月20日号掲載