学びの素材を探る
日清製粉創業の地で「製粉」の技術の歴史を学ぶ |
上毛カルタで知られる「つる舞う形の群馬県」の”つる”の頭部は、県の東毛エリア。首都圏から車、電車共に便が良く、東京から車で約1時間半と、移動に時間を要しないのが特徴で、教育旅行の素材も豊富だ。
「シュラスコ」でブラジルの食を体験 |
館林は「つつじ」を大切にし、多くの学校の校歌でも使用されている |
オリジナル柄の藍染を体験 |
■リトルブラジルで
異国の食生活を体験
群馬県には様々な顔がある。太田市、大泉町は、かつて富士重工業(株)のルーツである中島飛行機が現在の太田市に設立された地という歴史的な経緯から、工業が盛ん。そこで働く人はブラジルを中心とした日系人が多く、街並みも「リトルブラジル」といえる。食生活も興味深く、ブラジル人にとって焼肉のような存在「シュラスコ」は、食べ盛りの子供たちにおすすめ。
■富士重工のルーツ
重要文化財の中島家
隣接する太田市には、中島飛行機の創設者・中島知久平氏が、両親のために築いた大規模邸宅がある。和風と洋風両方の建築要素が取り入れられ、建築の意匠、構造、素材において学術的要素が高く、市の重要文化財に指定され、現在一部を公開している。
■館林は”つつじの街”
4Dシアターで体感
つつじが有名な館林市は、4月下旬頃から次々に花が咲き乱れる「つつじが岡公園」内に、昨秋、世界初のつつじの4Dシアターを完成させた。つつじの旬以外でも、映像と風などを使ってその姿を体感できる。
また、館林は日清製粉創業の地であり、館林駅目の前に「製粉ミュージアム」があり、多くの小学生が社会科見学に訪れるという。動画やタッチパネル、実際に過去に使われていた機械などを使い、「製粉」を通じて産業の流れについて学べる。
■織物産業の桐生で
日本産業の歴史を学ぶ
東毛エリア北部の桐生市は、江戸時代「西の西陣、東の桐生」と言われたほど織物産業が盛ん。明治以降に建てられた織物工場は、ノコギリの歯のような形をした屋根が特徴的だ。「織物参考館”紫”」では、見学だけでなく、昔ならではの手織りや、染色教室など、歴史の一端を体験することができる。
【2016年2月15日号】