ミラノ万博で使われた デジタル地球儀で学習 |
子供たちが様々な仕事を体験しながら社会の仕組みを学ぶことができるキッザニア東京(東京・江東区)は、「主役は君たちだ!『中学生が龍馬くんになる日』」と題し、11月7日に中学生限定の特別プログラム「ジュニア チャレンジ ジャパン」を開催。約600人の中学生が職業体験や様々な業界の第一線で活躍する人たちとの交流を通じて将来について考えた。
幕末に活躍した坂本龍馬のように、子供たちに自ら考え、行動し、逞しく生きる力を育むきっかけを作ることがねらい。ⅰPhoneアプリ制作やプロ棋士との将棋対局など、普段のアクティビティと異なる20種以上の特別プログラムが用意された。
同施設は3歳から15歳が対象年齢だが、今回は中学生限定のため、通常行われているアクティビティの難易度を高めるなどの試みも見られた。
特別プログラム「地球環境セミナー」では、ミラノ国際博覧会の日本館の展示企画や監修を手がけた京都造形芸術大学教授の竹村真一氏が、日本館に展示されたデジタル地球儀を用いて講演。地球温暖化のデータなどを示しながら「皆さんは科学の発達により地球の営みにまで思いを寄せられるおもしろい時代に生きている。もっと世界に目を向けて」と呼びかけた。
様々な業界の人と交流 |
「トラベルエージェント」の仕事では旅行会社の社員となってキッザニア内の外来語を探すことから始まり、その言葉の由来となった国について調べるなど、世界を意識した視点で物事を捉えることの大切さを学んだ。
このイベントの目玉であるソーシャルパーティーでは、グループごとに政治家、ボクシングチャンピオン、絵本作家、教師など40名を超える様々な分野のプロフェッショナルとの交流が図られた。「どうして、その仕事に就こうと思ったのか」など子供たちから積極的に質問が交わされていた。
その中の一人、開智日本橋学園中学校(東京都)の宗像諭副校長は、「先生になるには頑張って勉強すること。30分ならば30分と時間を区切って勉強することがポイント」とアドバイスした。
KCJ GROUP
住谷栄之資CEO
キッザニアの企画・運営を行うKCJ GROUP(株)代表取締役社長兼CEOの住谷栄之資氏は「目標を持たずに勉強するのではなく、自分は何に向いているか、将来どんな仕事に就きたいかなどイメージしてほしい。坂本龍馬は激動の時代を生きて日本を動かした人物だが、今の日本も大きく動こうとしている。龍馬のように『志』を持って動ける人になってほしい」と次世代を担う中学生に期待を込めた。
【2015年11月16日号】