修理を終え真っ白な姿を見せる 姫路城 |
約5年をかけた平成の修理を終え、今年3月にグランドオープンした世界文化遺産の姫路城は注目エリアの一つ。中播磨・西播磨の教育旅行素材は、歴史と文化そして、日本の未来を担う子供たちの科学への思いを強くする研究施設もある。
別名「白鷺城」とも呼ばれている姫路城は、約5年をかけた大天守保存修理工事を終え、まさに白鷺が舞い立つように真っ白な姿が美しい。白く見えるのは、白漆喰総塗籠造(しろしっくいそうぬりごめづくり)という工法によるもの。
屋根瓦の継ぎ目も、白の特殊な漆喰を塗り込み強度を高めている。そのため遠くから見ると、屋根まで真っ白に見える。瓦の家紋から見えてくる城の「歴史」、東大柱などから分かる城の「建築工法」など、学びの視点が多い。
広大な敷地を持つ「放射光科学総合研究センタ
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世界中から観光客が訪れる姫路城と同様に、世界中から注目を集めているのが、「スプリング8」と「さくら」という世界一の施設を2つも有し、広大な敷地を持つ放射光科学総合研究センター(佐用町)だ。
「スプリング8」は原子まで見ることができる巨大顕微鏡で、「さくら」は、世界で最も小さいものを観察できるX線レーザーだ。「スプリング8」は止まっているものを、「さくら」は動いているものをナノレベルまで調べることができる。
この2つの施設は世界中の研究者だけでなく、産業界の利用者も多い。すでにこの施設を利用して医薬品、ヘアケア商品、半導体など様々な分野の商品が開発されている。
最先端技術を見て科学への興味を醸成
一般の見学も受け入れており、修学旅行生など学校団体も見学可能だ。例えば120名なら6班に分けて見学し、所要時間は1時間半程度。人数に関してはできるだけ対応したいという。申込み、問合せはWebから。
日本の最先端技術を有する多くの企業が協力して完成した「未来に貢献する施設」を見学することは、子供たちにとって科学への興味が湧くきっかけになるだろう。佐用町には一般人が利用できる公開望遠鏡としては世界最大の口径2mの「なゆた望遠鏡」を置く「兵庫県立大学西はりま天文台」もある。
また姫路市の東側に隣接する福崎町には、日本民俗学を創始した柳田國男の生家があるなど、教育旅行に活かせるスポットが点在していた。
放射光科学総合研究センター=rsc.riken.jp
【2015年7月20日号】