東京・池袋駅から特急電車で約80分、関越自動車道の花園ICから約30分で到着する埼玉県秩父地域は、平成24年度から県が誘致を進める「『教育旅行のメッカ』埼玉づくり事業」の理念に基づき、民泊を取り入れた教育旅行を提供している。
秩父地域は、埼玉県西部にある秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町の1市4町に渡り、その面積は県の4分の1を占める。卒業式の歌で定番となった「旅立ちの日に」は、秩父市内の中学校で作られており、秩父を知るきっかけの一つだ。
豊かな自然を使った農林業と伝統的な文化が息づく地域で、体験と学習を中心にした教育旅行が展開できるのが特長。受け入れ家庭と信頼を深めながら、秩父の生活を体験していく。夕食は地の食材を中心に、本物の味を自分たちで作る。
昨年10月には、京都市内の高校から約190名を受け入れた。東京エリアの修学旅行の一部として、生徒らは1泊2日の民泊生活を楽しんだ。
体験プログラムには、通年行うことのできる農業体験・郷土料理づくり体験・自然体験に加え、4月末から11月末にはチームワークづくりに適したアクティビティとして人気の高いラフティングも実施している。
また、銅の産出が豊富であったことから、秩父で採掘された銅から日本最古の流通貨幣「和同開珎」が作られた。日本三大曳山祭として名高い「秩父夜祭」を始めとした多くの祭り、秩父札所三十四か所観音霊場なども有名で、民泊と歴史学習を併せて実施することも可能だろう。
【2015年3月23日号】