当時の写真を見ながら製糸場を見学 |
「土と火の里」「富岡製糸場」「自然史博物館」は、群馬県の玄関口に位置し、横浜からは午前中に見学及び昼食を食べる候補地として考えらえる。
昨年度世界遺産に登録された「富岡製糸場」は、明治維新の近代化政策を理解するのにとても良い施設。小6社会科の学習に扱える素材である。特に、当時の日本人が外国に頼らずしかも短い期間で自力で作り上げたこと、当時の人々の様子を伝える写真・資料があることは良い。工女の役割も明確で、人物を通して学習できるところに魅力を感じた。(横浜市立星川小学校校長・新井篤志)
バスまたはJRを利用しても2~3時間なので、学校でも個人的にもかつてよく行っていた。今回視察会で久々に訪れて気づいたことは、交通の便利さ。各種新幹線の開通や高速道路とバイパスの開通など、アクセスが非常に良好になっていた。
片品村は首都圏から約2時間でパウダースノーを味わえるスキー場や、夏のハイキングのメッカ「尾瀬」、「疲れを癒す豊富な温泉」と体験学習を行う環境が充実している。村内には古民家を改築した民宿もあり、素朴な田舎の魅力を味あわせたい。(都立墨田工業高等学校・中村巧)
参加者が作った箸置き |
「土と火の里」は、山裾に養蚕農家の高窓と真白い漆喰壁の建物が並ぶ。陶芸体験で箸置き作りに挑戦したが、簡単にできそうでなかなか思い通りに造形できなかった。作り終えた後は乾燥後に窯で焼くそうで、完成品と再会するのが楽しみだ。
「ぐんま天文台」では、晴天であれば昼でも天体観測ができるという。こうした最先端科学施設であっても曇天・雨天時には観測できないが、ここでは映像ホールでのシミュレーション映像を見ることができる。一瞬のうちに宇宙旅行をしたような体験ができた。(墨田区立錦糸中学校主任教諭・荒井修)
小中高、どの年代であってもそれぞれの成長過程に合わせた学習素材を見学・体験することが出来る内容であった。榛名湖のキャンプ場では、屋外トイレが整備されていて野外活動のトイレ施設の「古い・臭い・汚い」のイメージが変わった。それこそが自然体験ともいえるが、都会で生活している子供たちにとっては耐え難いだろう。これからは衛生面などを考慮してここのように、自然体験のメニューやスタッフの行動なども含めて、環境が整備された施設が増えてほしい。(横浜市立松本中学校・鈴木信義)
「自然史博物館」では、最初に解説員から「地球の時代」のブースで説明を受けた。群馬県に古い時代には海があったということや恐竜の化石があることに驚いた。触れられる展示も多く、動くティラノサウルスもあり、見学に訪れていた子供が喜んでみていた。工夫を凝らした展示が印象的。館内授業やスポット解説、ワークシートなどが用意され、学校にとって活用しやすいと感じた。
今回の施設はどこもきれいで、見学に対応する人・展示内容・資料(学習用等)がとても丁寧である。(都立橘高等学校主任教諭・井上仁)
尾瀬岩鞍リゾートホテルは1室6~11名収容の和室が多く、団体利用に適している。160畳の大広間があり、体験学習やレクリエーションに利用することができる。
片品村は福島の被災者をいち早く受け入れた村。被災者は寒い体育館での避難生活を考え毛布持参で村に入ったが、暖かい宿に泊まり毛布は必要なかったというエピソードを知り、「日本一やさしい村」に、ぜひ宿泊してみたいと思った。人数の多い団体は分宿になるが、世話好きのおかみさんなど宿の人がいるので安心できる。(中野区立桃花小学校主幹教諭・矢藤健男)
ぐんま天文台の65cmの望遠鏡。十分な観察が可能(左) 榛名湖で団結深めるカッター体験(右) |
「富岡製糸場」でVTRを見たが、徐々に細くなっていく生糸を、切れる寸前で繋げながら、一定の太さに保っていく職人さんの技術が素晴らしいと感じた。日本の「ものづくり」の力を改めて感じた。
尾瀬わくわく体験郷では、苗植え、田植え、稲刈り、野菜・果樹収穫等の体験ができ、収穫物を料理して食べる体験も楽しめる。バリエーションも豊富で、自然に触れたり教員以外の大人たちと接することは、心豊かな人間形成に役立つ。(都立墨田工業高等学校主任教諭・千葉亮一)
【2015年9月21日号】