北海道幌延町教育委員会は幌延中学校区に小中一貫校を建設するにあたり、基本設計業務を委託するため公募型プロポーザルを7月1日に公示。7月26日と8月23日に審査が行われ、北電総合設計㈱が落札した。
同社の技術提案書によると基本コンセプト「持続可能な社会の創り手となる子どもを育てる学校~自律・尊重・協働~」の実現を目指す。
「自律」に向けては「生き抜く力を育成する仕掛けや場の創出」として、ICT機器での検索が可能な図書館や校内各所に自由に学習ができる学習ラウンジを設置。タブレット端末の収納場所および充電場所を確保する。
「尊重」に向けては「多様な個性やニーズに対応した場の創出」として、さまざまな個性を受け入れることが可能な教室を設置する。
「協働」に向けては「ふるさと”幌延”に対する誇りと愛する心を持つ児童生徒を育む場の創出」として、地域資源を取り込み、子供たちが地域風土を常に感じることができる学校とする。
このような学校の実現に向け、公共建築設計や学校建築の実績があるスタッフを配置。総合建設コンサルタントとして多様な技術者を動員し、ZEBプランナーとしてエネルギー利用についても提案を求める。
日常の学校運営のしやすさに配慮したゾーニングや材料・設備選定を行うことで教職員の負担を軽減する。また、災害発生時に学校は避難施設となるため災害に強い構造・設備方式とし、災害発生から教育活動を早期再開できる学校とする。
新しい学校は地域の「家」となるような学校を目指し、屋内運動場、武道場、幌延未来学室、多目的スペースなど「地域開放エリア」を集約することで地域住民も利用しやすい学校とする。新築棟東側は地域住民と交流ができる「ほろのべの庭」とし、卒業時には植樹ができるスペースを設けるなど未来につなぐ仕組みを検討する。
普通教室は1stステージ(1~4年生)、2ndステージ(5~7年生)、3rdステージ(8~9年生)と義務教育学校の区切りごとにプランニング。ステージごとに作りを変えることで児童生徒自身が進級するごとに成長が感じられるように計画する。また、普通教室前にはワークスペースを設置し、少人数学習などで活用する。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年9月23日号掲載