京都市教育委員会は市立学校体育館の防災機能強化に向けて、基本計画を策定する事業者を決めるため公募型簡易プロポーザルを実施。対象となるのは市立松ケ崎小学校と市立北醍醐小学校。
京都市の学校体育館は児童生徒の学校教育活動に限らず、地域住民の生涯学習やスポーツ活動、大地震など災害時の指定避難所など重要な施設となっている。「京都市立学校の体育館防災機能強化等整備事業」では防災機能強化に向けて施設整備を進めるにあたり、法的条件などを整理し、諸室の増築を計画している体育館や付属建築物に係る基本計画を策定する。
松ケ崎小学校の体育館は、防災機能において重要な役割を果たすトイレや倉庫などの「諸室」が揃っていない状態にある。そのため体育館の全面改修だけでは防災機能を十分に果たせない恐れがある。改築による整備では工期が長期間となり、教育活動への影響が大きいことから全面改修およびこれに伴う付属建築物の改修を実施する。併せて、体育館の一部が土砂災害特別警戒区域内(レッドゾーン)にあるため、既存建築物および増築棟の外壁などが土砂災害にも耐えうる構造方法、または塀の設置などの対策を検討する。
なお、北醍醐小学校の体育館は、「諸室」は揃っているため増築は不要。しかし、体育館の一部が土砂災害特別警戒区域内にあるため、松ケ崎小と同様に土砂災害への対策について検討を進める。
2024年度に基本計画を策定し、2024年度から2025年度にかけて設計を進め、2026年度に施工する。2027年2月に竣工予定。工事費は2校合計で上限が8億円。今後、施設の状況を現地調査などにより把握した上、工事費の範囲内で最適な改修内容や改修方法を検討する。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年3月18日号掲載