群馬県沼田市は、中学生の国際交流事業の振興充実を図るため、8月8日と9日、フィリピンの市立中学校「Statefields School(ステイトフィールズ・スクール)」とオンラインプログラムを行い、市内の全中学校から112人が参加した。
同市では1990年から30年以上、市内の中学生を対象に国際交流事業を行っており、アメリカやオーストラリアなどへ、毎年約20人の生徒を派遣してきた。2020年からは新型コロナウイルス感染症の影響で中止していたが、今年度は国際感覚を身につけ、国際性豊かで友好親善に努める生徒を育成するため、沼田市中学校国際交流事業「オンラインプログラム」として実施した。
同事業は民間事業者の豊富な経験とノウハウを活かした効率的なプログラムの実施や、ICT機器の扱いに優れた人員の確保等、確実に実施できる体制を整えるため、公募型プロポーザルを行い、㈱グリフエデュケーションを選定した。海外の中学生と対面式通話ソフトを用いたプログラムを、外国人コーディネーターによって行った。
オンラインプログラムは、日本とフィリピンの生徒とフィリピン側のALT(外国語指導助手)が1グループとなって実施。易しい英語で会話する「エンジョイコース」と、英語が得意な生徒同士で話す「チャレンジコース」があり、生徒は自分の適性に合わせてコースを選択し、交流プログラムに臨んだ。
生徒それぞれが自己紹介し、趣味や好きな食べ物等を英語で話し、質問し合った。ALTは、生徒の英語力や会話の状況を見ながらサポート。日本側の教室にもALTが控えており、会話に合わせて生徒のフォローを行った。初日には英語スピードの速さに戸惑った生徒もいたが2日目には慣れ、英語でコミュニケーションをとりながら、交流を楽しんだ。
同市教育委員会学校教育課では、「4年ぶりに国際交流事業が実施できた。オンラインでは、全ての希望者が参加できる。次年度以降も何らかの形で国際交流の機会を作っていきたい」と話した。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年9月18日号掲載