広島市は北部地区学校給食センター(仮称)等新築工事・管理運営事業の総合評価一般競争入札を行っている。開札日は9月19日で、提案書に関するヒアリングなどを経て、11月上旬に落札者を決定する。
同センターの調理能力は1日あたり1万2000食を想定。市が設計・建設の一括発注と維持管理・運営等の一括発注を包括して行う「DBO方式」で発注する。2026年1月から維持管理・運用を開始する。
同市は各学校の調理場で調理する「自校調理方式」と、学校給食センターで数校分の給食を調理し各学校に配送する「給食センター方式」、民間事業者で調理しランチボックスで提供する「選択制のデリバリー方式」の3つの方式で提供している。デリバリー方式では残食率が高く、利用者数も低下していることや、自校調理方式と給食センター方式で施設の老朽化が進んでいること等の課題があった。
これらの課題を解決するため、21年に「学校給食の充実に向けた給食提供体制の見直し方針」で、将来的に学校給食センターを基本とする給食提供体制を目指すこととした。その取組の一つとして可部地区学校給食センターの調理能力を拡張することで、デリバリー方式の解消とともに老朽化を解決し、安全でおいしい給食を提供する。
同事業は、学校給食衛生管理基準に基づく安全管理や衛生管理を徹底し、安全・安心な学校給食を提供する。またアレルギー対応食については、専用調理室を設置し、他の調理作業と区別して安全に調理する。
供給食数や献立に応じた作業空間と機能性、食材搬入から給食の搬出までスムーズな作業動線を確保し、作業効率向上と働きやすい室内環境を整備する。
建設場所が住居地域であることを踏まえ、学校給食センターの建設工事期間・運営時間を通じて臭気・騒音・振動対策等を徹底し、周辺地域の環境を保全するとともに、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーを積極的に利用するなど、エネルギー消費量の削減に努め、環境負荷の低減を図っていく。
食育に関する情報発信や地域住民の様々な活動に利用できる会議室やオープンスペース、キッチンスタジオ等を整備し、調理実習会や試食会、健康的な食事に関する情報提供など、市民を対象とした食育推進活動を広く実施する。また、隣接する多目的交流広場と連携した週末イベントなども実施していく。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年8月21日号掲載