東京都狛江市は、「地域スポーツクラブ活動体制整備事業に係る市立中学校における休日運動部活動管理運営等業務委託」の公募型プロポーザル方式による事業者の選定を行っている。履行期間は2024年2月まで。プロポーザルへの参加申し込みや事業提案書の提出は7月7日で締め切っており、事業者選定審査会による1次審査と2次審査を経て選定する。結果通知と契約は7月下旬から8月上旬の予定となっている。
子供たちの部活動の時間と機会を確保するため、東京都との委託契約のもと、スポーツ庁が実施する2023年度「地域スポーツクラブ活動体制整備事業における実証事業」を活用し、狛江市は市立中学校の休日における運動部活動の地域連携・地域移行の在り方を検証する。
中学校の部活動が生徒のスポーツ・文化芸術に親しむ機会を確保し、生徒の自主的・主体的な参加による活動を通じて、達成感や責任感、連帯感や自主性の育成に大きな役割を担ってきたが、近年の少子化や競技経験のない教員が指導せざるを得ない点、休日を含めた運動部活動の指導や大会引率、運営への参画が求められるなどの負担が指摘されている。
スポーツ庁・文化庁は2022年12月に「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」を策定。23年度から25年度までの3年間を、学校部活動の地域連携や地域クラブ活動移行への改革推進期間と位置づけ、適正な運営や、効率的・効果的な活動の在り方、新たな地域クラブ活動に必要な対応を示した。都も23年3月に「学校部活動の地域連携・地域移行に関する推進計画」を策定し、学校部活動の維持が困難となる前に、学校と地域が連携・協働し、地域クラブ活動を新たに整備する必要があるとした。
同市は国と都の動きを踏まえ、学校部活動として行ってきた運動部活動の指導・安全管理、試合等の引率、学校や保護者等との連絡調整を、事業委託により地域クラブとして実施し、同市が策定している部活動ガイドライン等に留意して行う。
事業者には、専門性と安全管理能力、学校や保護者との対応にあたる体制整備など、様々な能力が求められることから、提案書の内容を総合的に判断するため、公募型プロポーザル方式で選定する。
対象校は市内中学校4校を予定。部活動ごとに拠点校を定め、練習は4校合同で、拠点校で行う。試合には4校の合同チームで参加することを想定している。対象生徒と部活動は、対象校に在籍する部活動に所属する生徒で、野球部ほか1種目を予定している。指導員の配置期間は23年8月下旬から翌年2月中旬までを予定しているが、教育委員会と対象校の相談の上決定する。
指導日数は、土日または祝祭日の週1日以上で、各種目20日以上とする。各競技団体の試合等への参加は、校長の許可に基づき、生徒の引率と監督を行う。また近隣校との練習試合等を行う場合は、審判など試合の運営も行う。引率は原則として拠点校で集合解散とし、事業者は拠点校と会場の間を引率する。
活動は1日あたり3時間程度、試合等参加時の勤務時間は9時間程度までとする。活動終了後は参加生徒を一堂に集め、一斉に下校させる。生徒を日没までに下校させるため、10月~2月の生徒の活動時間は対象校と協議する。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年7月17日号掲載