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給食業務整備し食育推進 民間のノウハウ生かし給食運営 地域連携から食育のまちづくり~韮崎市

2023年6月19日

山梨県韮崎市は、市立小中学校給食業務委託として、プロポーザル方式による受託事業者の選定を行っている。市内3校を給食業務委託し、アレルギー対策をはじめ、学校行事などにも合わせて稼働できるよう、民間の運営ノウハウを生かし、効果的な学校給食運営を目指す。同市は食育推進にも取り組み、食生活改善推進員が地域の健康を食からサポートする取組を進めている。

学校給食業務委託校の1つの韮崎市立韮崎小学校

学校給食業務委託校の1つの韮崎市立韮崎小学校

給食調理委託しよりよい学校給食を実現

韮崎市教育委員会は、児童生徒が安心して食べられる、安全で栄養バランスのとれたおいしい給食を提供するだけでなく、食に関する指導を充実させ、学校・家庭・地域の連携による食育の充実を図り、地場産物を活用する取組を推進してきた。

民間のノウハウや専門性、柔軟性を発揮し、よりよい学校給食を実現するため、2003年度から学校給食調理業務の委託化を進めており、15年度には市内全校において民間委託となっている。

今回の学校給食業務委託は、61日に公告しており、現地見学会を23日に実施する予定だ。参加表明書及び提案書類は、714日まで受け付け、参加審査と1次審査が行われる。8月にプレゼンテーションとヒアリングによる2次審査を行い、9月に委託事業者を決定する予定となっている。

アレルギー対策や学校行事なども対応

衛生管理の徹底や食物アレルギーへの対応など、安全で衛生的な給食を安定して提供できる技術と知識を兼ね備えた事業者を選考する。業務委託期間は244月から273月までの3年間。

委託内容は、市内の韮崎小学校、韮崎西中学校、韮崎東中学校の学校給食調理委託業務で、3校合わせて、1日当たり約1050食程度を提供する。食物アレルギー対応食は、「韮崎市学校給食における食物アレルギー対応ガイドライン」に基づき、委託者の指示のもと提供する。給食を実施する基本日数は「学校給食実施計画」が定める「概ね200日」に基づいて3校が定める。学期ごとの特別清掃、準備施設整備の点検、試食会や食育推進事業等を含む学校行事や、市などが行う研修など、委託校や校長が必要と認めた日も業務を行う。

運動会や遠足などの学校行事により、給食実施が変更になる場合、インフルエンザなど感染症の流行や台風などの自然災害により、休校・学級閉鎖または時間等変更になる場合は委託校からの指示を受けて対応する。

食生活改善推進員が健康づくりをサポート

同市では、家庭・学校・保育園・地域等、あらゆる関係機関の協力・連携を密にしながら、「第3次韮崎市食育推進計画」に基づき食育を推進している。計画では「こころとからだを大切にみんなで育む食育のまちづくり」を基本目標とし、給食を通じた食育を充実させるため、子供の成長に応じた給食の提供と食物アレルギーを持つ園児・児童生徒への配慮を進めている。

給食試食会や懇談会を実施し、「給食だより」や献立表等の、学校等からの配布物や食育教育による情報提供の充実を図る。地産地消の推進では、学校給食における山梨県産による、地場産物の使用割合を25年までに3割を目指し、行事食や郷土料理も積極的に提供していく。

また、食生活改善推進員の活動も進めている。スローガンは『私たちの健康は私たちの手で』。「食改推」「食改さん」「ヘルスメイト」などの愛称で呼ばれ、地域で食生活を中心とした生活習慣の改善を目的に138(2341日現在)が活動している。主な活動内容は「おやこ料理教室」や「男性の料理教室」「おせち料理教室」などの開催、年4回開催される伝達講習会を行っている。

学校給食に関しては、小中学校へ郷土料理の「ほうとう」の作り方を教える出張授業をサポートするなど、地場産物や行事食、郷土料理の活用の支援を進めている。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年6月19日号掲載

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