長野県飯田市は、児童生徒の読書環境の充実と学校司書などの負担軽減を図るため、市立小学校19校、市立中学校9校計28校を対象にした学校図書館システムを構築する。このため、飯田市小中学校図書館システム導入事業の公募型プロポーザルを実施している。提案書の締め切りは3月6日で、3月下旬に審査結果(優先交渉権者)が決定される。
この学校図書館システムはクラウド型とし、インターネットを通して、クラウドサービスを提供する事業者のシステムを利用するもの。GIGAスクール時代の学校図書館であり、このシステムが構築されると、児童生徒は学校図書館に設置された1~2台の端末やGIGAスクール構想により配布されたタブレットにより蔵書検索や蔵書の貸し出し状況、自分の貸し出し記録の閲覧、またお薦めの本の紹介などを、学校で、自宅で見ることができるようになる。蔵書数は市立小学校計15万4662冊、中学校計10万442冊。
また、システム要件には学校図書館に必要な機能が含まれ、図書館担当者は、図書館流通センターが提供するTRC MARCをダウンロードし当該書誌データにより蔵書管理ができ、バーコードの読み取りなどで蔵書登録ができる。さらに、簡単な操作による貸し出し、返却、蔵書点検などの機能のほか、学校間連携機能による他校の蔵書状況の閲覧に加え、児童生徒の貸出状況を、個人別、学年別、クラス別、図書分類別等に集計でき、エクセルまたはPDFで出力できるようになる予定だ。
なお、システム構築にあたり、必要なセキュリティの確保は要件とされているが、システム接続にあたっての回線整備、ネットワーク機器・無線アクセスポイント端末等の設置・設定業務は、業務に含まれていない。
このシステムの運用予定期間は、中学校が2023年7月1日から2028年3月31日、小学校が2024年4月1日から2028年3月31日まで。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年3月20日号掲載