新型コロナウイルス感染症の流行は、デジタルネットワーク技術の発展普及と相まって、教育環境を大きく変えました。その中にあって、当協会は、2021年より授業目的公衆送信補償金制度を本格運用し、3年度目を迎えております。先生方の著作物等の授業利用による補償金を教育機関設置者から収受し、利用報告の収集と分析に基づき、分配受託団体と整備協力団体の協力の下に著作物等の権利者を特定し補償金の分配を行います。この分配は、分配初年度の2021年度収受分より順次利用報告に基づく補償金分配を進めているところです。また、法令に基づく共通目的事業として、2022年度では委託事業1件と助成事業38件を実施して頂いております。
利用報告の分析と権利者の特定に時間を要した分配初年度の反省もあり、利用報告用には利用報告受付システム(TSUMUGI)、さらに権利者の特定用には権利者情報取得システム(MUSUBI)の開発と稼働を通じて、制度の改善に努めているところです。教育関係者の方々には、TSUMUGIを利用して頂き、制度趣旨の実現のため一層のご協力をお願いする次第です。
著作物等の良質の教育資源の創作と利用そしてこれを通じた受益という持続的な循環を発展させる運営が重要です。当協会は、良質な教育資源の利用の円滑化と権利者への適切な対価還元の実現を今年も推進して参ります。
教育家庭新聞 新春特別号 2024年1月1日号掲載