謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年は、新型コロナ感染症が5類感染症に移行され、様々な教育活動が本格的に再開された1年となり、本協会でも4年年ぶりに5月の定期総会を対面で実施し、各部会や地区ごとの活動も活発に行われました。そこでは、急速に進む少子化に伴う学校の統廃合や教員不足をはじめ、急激な物価高や為替レートの変化に起因する新たな課題も浮上し、地域格差、経済格差、体験格差といった問題が一層浮き彫りになってきました。特に地方では少子化の影響が凄まじく、百年の歴史を誇る伝統校や地域の核となる高等学校が統廃合の対象となりつつあり、このままではあと5年ももたないといった深刻な声が数多く上がっています。
人材こそが唯一の資源であると言われる日本が、対症療法的な教育改革にとどまらず、教育を最も大切なものとし、必要な投資を惜しまないといった「教育へのリスペクト」を今一度社会全体で共有していくことが必要なのではないかと思います。私たちは、この困難な時代を乗り越えるために、自校や地域の事情にとどまらず、多様な背景を持つ全国の高校生が、誰一人として取り残されることのないよう力を合わせて参ります。
本年も、高等学校教育の一層の充実に向けて、皆様のご理解とご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いします。
教育家庭新聞 新春特別号 2024年1月1日号掲載