知識・技能の獲得やその活用は、授業はもとより学校での教育活動や諸課題の解決に欠かせないものであり、それらの研修について一層の充実を図ることは当機構の使命でありますが、同時に、教職員自らが課題に向き合い、問いを立て、協働的に解決する経験を積む機会の創出について、全国の教育委員会や教職大学院等と連携して取り組むこと、つまり研修観の転換もまた、重要な務めであると考えています。これに関して当機構の職員が「これまでの延長線上で物事を良くしようとしても、どうもうまくいかないなと感じている時、あるいは、授業も学校もそれなりに回ってはいるけれど、本当は、子供や同僚と違う関わり方をしたり、新しい教育のやり方に挑戦したりしたいとモヤモヤしている時、そのモヤモヤとどれくらい真剣に向き合うかは、教職人生の分岐点になるかもしれません。その時、自己の在り方を考えながら他者と対話し、課題の本質に向き合えるような時間と空間があれば、新しい気持ちや新しい自分が生まれていくかもしれません」と述べました。2021年1月の中央教育審議会答申は、こうであってほしい子供の姿を「自立した学習者」と表現しています。自分で考え、判断し、行動できる、あるいは、そうしたい、そうしようとする、そんな学び手でしょう。そのような学び手にとって他者との関わり合いや助け合い、協働は、学びを深め豊かにしていく上で欠かせないと思われます。教職員が「自立した学習者」として学び続ける。全国の学校関係者とともに取り組んで参ります。
教育家庭新聞 新春特別号 2024年1月1日号掲載