昨年3月、第五次「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(以下「計画」)が閣議決定されました。
同計画は子供の読書活動の推進に関する法律に基づき、政府がおおむね5年ごとに策定するもので、子供の読書活動の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的方針を示します。
第四次計画期間中においては「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」の制定、第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」の策定等を通じ、子供の読書環境の整備が進められる一方、世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大やGIGAスクール構想による学校のICT環境の整備等によって子供を取り巻く環境も大きく変化しました。
急激に変化する時代に必要とされる資質・能力を育む上で読書活動の推進は重要であり、第五次計画では、すべての子供たちが読書活動の恩恵を受けられるよう、①不読率の低減、②多様な子供たちの読書機会の確保、③デジタル社会に対応した読書環境の整備、④子供の視点に立った読書活動の推進を基本的方針として、社会全体で子供の読書活動の推進を進めることとしています。
子供は読書を通じ、コミュニケーションの基礎となる言語を学び、感性を磨き、表現力を高めることができ、読書によって、様々な知識を得て、多様な文化や考え方への理解を深め、学びの基礎となる探究心や真理を求める態度を培うことができます。また、読書習慣の形成は、「読む喜び」を育み、生涯にわたる学びを助け、個人及び社会全体のウェルビーイングの実現に資すると考えられます。
文部科学省としても、第五次計画に基づき、引き続き、こうした効果が期待できる子供の読書活動の推進に努めたく、ご協力賜りますようお願い申し上げます。
教育家庭新聞 新春特別号 2024年1月1日号掲載