ご承知の皆様も多いと存じますが、現在、大学の7割、高校の3割、幼稚園の9割の生徒等が私立学校に在学しております。建学の精神のもとの特色ある多様な教育により、我が国の学校教育において大きな役割を果たしています。
昨年は物価高騰対策、熱中症対策のほか、1人1台端末の更新等が喫緊の課題としてあがりました。これらの対策のため、文科省は補正予算において私立学校の教室や体育館等への空調設備の新たな導入や1人1台端末に対する国の補助率を2分の1から3分の2へ引き上げる等の支援策を盛り込み、順次実施しているところです。
24年度政府予算案では、24年度からの5年間を集中改革期間と位置づけ、急激に進む少子化の中、時代と社会のニーズの変化を踏まえて将来を見据えたチャレンジや経営判断を行う私立大学等への総合的な支援の創設を大きな柱としています。
また、初等中等教育では、1人1台端末の更新等のICT環境整備の支援の充実、教員業務支援員の推進による教員負担軽減等、幼稚園における特別支援教育の充実や処遇改善等を盛り込んでいます。さらに私立学校施設の耐震化完了に向けた耐震改築や耐震診断、熱中症対策やエコ改修等の喫緊の課題への対応に加え、教育研究基盤の強化に向けた最先端研究設備の整備支援の充実等も盛り込んでおり、すみやかに施策の展開に全力を尽くして参ります。
100年に一度の大転換期と言われ、これまでの延長線に未来を描くことは難しい時代です。これからのあるべき私学の姿を描きつつ何を守り、何を変えていくのかという議論を皆様とともに進めていければと考えております。
教育家庭新聞 新春特別号 2024年1月1日号掲載