近年、社会環境や生活環境の急激な変化は、児童生徒等の心身の健康に大きな影響を与えており、肥満・痩身、生活習慣の乱れ、感染症の感染拡大、メンタルヘルスの問題、アレルギー疾患、薬物乱用など多様な課題が生じています。また、心身の不調の背景には、いじめや不登校、貧困などの問題が関わっていることもあり、児童生徒等が抱える現代的な健康課題は複雑化・多様化しており、より一層のきめ細かな対応が求められております。このような現代的健康課題に対応するため、昨年から子供の心身の健康の保持増進等の中心的な役割を担う養護教諭や栄養教諭の業務支援の充実を図る事業を実施しており、本年も引き続き業務支援に向けた取組を進めて参ります。
また、学校において適切な換気の確保を行うことは、感染症の予防等、児童生徒の健康に資するものであるため、2023年度補正予算において、各学校が実施する換気対策の取組を支援する予算を計上しました。
さらに、食品の安全性、食品ロス、環境問題など、学校において食に関する現代的な課題を踏まえた指導が行えるよう、教材等の充実を図るとともに、食育の「生きた教材」である学校給食における地場産物や有機農産物の活用促進、指導の中核的な役割を担う栄養教諭の配置促進などに取り組んで参ります。
また、学校給食の安定的な実施に向け、各自治体に対して重点支援地方交付金を活用し、学校給食費の値上げ抑制に向けた取組や、業務委託をしている場合にも、物価高騰を踏まえた柔軟な契約金額の見直し等の対応を促しているところです。本年も、安全・安心な学校給食が安定的に実施されるよう、引き続き支援を行って参ります。
教育家庭新聞 新春特別号 2024年1月1日号掲載