少子化の進行や世界情勢の激変など社会が大きく急速に変化する中、我が国の高等教育は今まさに人材育成と知的創造活動の基盤として社会の発展を支えていく役割が期待されています。
昨年、中央教育審議会に対し、2040年以降の我が国の将来を見据えた高等教育が目指すべき姿や、高等教育全体の適正な規模を視野に入れた、地域における質の高い高等教育へのアクセス確保の在り方等について諮問しました。この議論を踏まえ、大学改革にしっかり取り組んで参ります。
我が国の未来を支える人材を育む上で、デジタル・グリーン等の成長分野をけん引する高度人材の育成は不可欠であり、昨年から成長分野への学部転換等の改革を行う大学・高等専門学校への支援を実施しています。今後更に多くの大学等を支援し、成長分野の人材育成を推進して参ります。
いかなる経済的状況でも、意欲ある学生が質の高い教育へアクセスできるよう、高等教育費の負担を軽減することは重要です。昨年末に閣議決定された「こども未来戦略」等を踏まえ、2024年度から給付型奨学金等の中間層への拡大や修士段階における「授業料後払い制度」の創設等を実施するとともに、25年度からの多子世帯への更なる支援拡充に向けて取り組んで参ります。
国際社会で活躍する人材の育成も急務であり、昨年、我が国の教育研究等に係る国際交流を進めるための「せかい×まなびのプラン」を策定しました。このプランに基づき、大学等の国際化や留学生交流の促進に取り組んで参ります。
大学が社会の信頼を得て発展する上で、公正で透明性のある大学運営は不可欠です。昨年、私立学校法と国立大学法人法を順次改正しており、各大学において適切な大学運営が実現されるよう、今後ともガバナンス改革を進めていくとともに、大学の教育研究の充実に力を尽くして参ります。
教育家庭新聞 新春特別号 2024年1月1日号掲載