ICTの発展とこの環境基盤の充実が、教育に大きな変革をもたらしています。ICTにより、だれでも、いつでも、どこからでも、教育を受けることができます。生涯教育、遠隔教育、リカレント教育、大規模公開オンライン講座(MOOC)は、ICTと不可分な関係にあり、同時に教育の質の向上も求められています。第3期の教育振興基本計画は、こうした教育の実効性を確保するため環境基盤の構築と推進に努めてきました。
教育の質の向上は、教育資源の質量に渡る充実が必要です。優れた教育資源は共有され、活用されることで教育効果が高まります。従来は、個々の教員の側にこれが囲い込まれる傾向もあり、地域や教育機関によって格差も生じていました。
現在、著作物あるいは隣接権保護対象として保護される教育資源も、一定の範囲で、教育目的での複製や公衆送信は教育機関設置者の補償金の支払を条件に、教員に許されています。補償金は教育利用された教育資源の創作者に分配されますが、本協会は、この補償金の収受と分配を行うわが国で唯一の指定管理団体であり、この2月には最初の分配を行います。次世代の教育のため、教育資源の質量の充実にこれからも側面から貢献する所存です。同時に教育関係者の方々には補償金の分配に必要な利用報告を今年もよろしくお願い申し上げます。
教育家庭新聞 新春特別号 2023年1月1日号掲載