新年明けましておめでとうございます。
学校では、学習指導要領が目指す、主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善の一つとして探究型学習に取り組んでいます。探究型学習では、課題の設定、情報の収集と整理、まとめと発表の過程を通して、学習者主体の学びの実現を目指しています。GIGAスクール構想により情報端末と高速通信環境が整備され、多様な情報を容易に入手できます。これで、学習効率が上がると喜んでよいのでしょうか。
児童生徒主体の学習では、集めた情報の真偽を自らの力で見極める必要があります。つまり、情報の中身が「本当に本当なのか」を見極める批判的思考力の涵養が必須です。資料に書かれている文章や図表、集計表などの意図を正確に読み解くには、信憑性の高い資料と常日頃から接して、本物から学ぶ環境が大切です。図書資料は、刊行までに多くの人が内容を精査しています。授業で使う図書資料は、その中から学校図書館にふさわしいものを選書しています。
学校図書館は、批判的思考力に必要な、読解力を育む「読書センター」機能や、「学習センター」「情報センター」機能により、主体的な学習を支えています。今後、紙の資料に加えて、新たな電子資料にも対応した学校図書館を目指す所存です。
今年もよろしくお願い申し上げます。
教育家庭新聞 新春特別号 2023年1月1日号掲載