GIGAスクール構想により導入された情報端末を用いた学習活動が広く普及してきました。教員による授業を聞いて理解するということから児童生徒が自分で学習リソースにあたり、得られた多様な情報から必要な情報を取り出し、集まった情報を吟味して情報に軽重をつけ自分なりに構成した情報を伝え合い、対話により得た情報をもとに情報を再構成するような学習活動に変化している教室も見られます。
たくさんの種類の情報にあたり、友達の学びを参照しながら、過去の自分の学びとつなげて理解の再構成を繰り返すために、情報端末やクラウドツールが不可欠なものとして機能しています。
ところが一部の教室、学校、あるいは地域では、情報端末を活用する十分な時間を保証していなかったり、クラウドツールの活用に慣れる経験を十分に積ませていなかったり、場合によっては学習に有効な機能を使用禁止にしていたりするなど、GIGAスクール構想の考え方を有効に活用しきれていない様子が散見されます。たいへんに残念です。
日本教育工学会(JSET)ではこの1―2年、学校現場における児童生徒のツール活用の成果や課題が盛んに検討されています。これからも学校現場を支える研究者の集まりとして実践研究を重ねていく所存です。本年もご指導ご鞭撻よろしくお願いいたします。
教育家庭新聞 新春特別号 2023年1月1日号掲載