GIGAスクール構想も3年目を迎え、学習道具としての1人1台端末の活用も定着してきているかに思われます。しかしながら、2022年度の全国学力・学習状況調査結果から見れば、自分で調べる場面でICT機器を活用している学校の割合は毎日活用で2割程度、週3回以上を合わせてようやく6割程度だといいます。
OECDが2030年の教育のあり方を展望する「Education2030」では、予測困難で不確実、複雑で曖昧な未来社会を生きる力として、「自ら目標を設定し、振り返り、責任を持って行動する」変革へのコンピテンシーを持ったエージェンシーを育てる教育の必要性が謳われています。自らの学びの航海を自らの手で舵取りしていく力です。グローバルコンピテンスや協働問題解決能力がますます求められる社会にあって、学校教育でも知識や技術の修得はもとより、学んだ成果を社会に生かすアクティブ・ラーニングが進んでいます。
次代を担う子供たちがこの学びの海を安全・安心に自信を持って航海するためには、航海を支えるさまざまな教育機器やコンテンツ、教員への啓発活動などがますます求められます。本会では、会員企業はもとより、志ある皆さんとともに、その支援活動に取り組んでいきたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
教育家庭新聞 新春特別号 2023年1月1日号掲載