昨年は学校での学びが大きく変貌した年でした。GIGAスクール構想により1人1台端末の環境が整い、子供たちがICT機器を道具のように用いて授業に参加する光景が多くみられるようになりました。コロナ禍が続くなかで大きな変化に対応すべく御尽力頂いた学校関係者に深く敬意を表します。
経済産業省では、2018年に「未来の教室」事業を立ち上げ、「学びの自律化・個別最適化」「学びの探究化・STEAM化」を柱に、新たな学びの実現に向け提案してきました。そして、昨年9月には「産業構造審議会教育イノベーション小委員会」において、これまでの事業の成果等を踏まえた中間とりまとめを公表しました。
この中間とりまとめでは、教育DX(デジタルトランスフォーメーション)の目指す姿を具体的に示すことに努めました。
教育DXは、紙やチョークがデジタルに置き換わることに留まりません。そこで、「時間・空間」「教材」「コーチ」という3つの要素を学習者が自由に組み合わせる姿を提示しました。デジタル化を通じて学びの選択肢は爆発的に広がります。教員はじめ大人に求められる役割としては、膨大な選択肢から学びを選び取るサポートを行うほか、各個人が孤立することなく協働して学び合う環境を整える役割が大きくなるでしょう。
また、昨年12月に2022年度第2次補正予算が成立しました。経済産業省では探究学習や「情報」教育を支えるサービス等の学校への導入を支援する事業を実施予定です。今後ますます重要性が増す探究学習等を後押しできるよう努めて参ります。
今年はデジタル環境を活かした教育の充実と発展の真価が問われる重要な1年です。子供たち1人ひとりのニーズに合った、創造性を育む教育の実現に向けて、関係省庁と連携し着実に取り組みます。
教育家庭新聞 新春特別号 2023年1月1日号掲載