昨今の新型コロナウイルス感染症拡大等による社会全体の環境の変化もあり、障害のある子供たちへの教育環境やその在り方が改めて問われています。文部科学省におきましては、障害のある子供たちの1人ひとりの教育的ニーズに最も的確に応える指導や支援を行うことができるよう、昨年3月、「特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議」において、特別支援教育に関わる教師の専門性向上に向けた方策をとりまとめて頂き、各教育委員会、大学等、関係者が取り組むべき方向性をお示ししました。
また、昨年12月に「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」を公表しました。調査結果において、「学習面又は行動面で著しい困難を示す」とされた児童生徒の割合が、小・中学校においては、2012年調査時の6・5%から8・8%へ増加し、今回初めて調査を行った高等学校においては、2・2%ということが明らかになりました。現在、「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議」において、通級による指導の充実など、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援に関する議論を行っていただいており、今年度中にとりまとめを行う予定です。
この他にも医療的ケア児への支援の充実や、ICTを活用した指導の充実、関係機関との連携強化による切れ目ない支援体制の整備などに取り組んで参ります。
本年も、障害の有無に関わらず誰もがその能力を発揮し、共生社会の一員として共に認め合い、支え合い、誇りを持って生きられる社会の構築に向けて、各種取組を進めて参りますので、皆様の一層の御理解・御協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
教育家庭新聞 新春特別号 2023年1月1日号掲載