昨年は国内外において予測を超える事態が生じ、コロナ禍も相俟って一層先行きの不透明な時代であることを再認識させられた1年でした。教育界においても、教師不足・働き方改革の問題やいじめ・不登校の深刻化など様々な課題が改めて顕在化している中、本年は、勤務実態調査を踏まえ給特法等の法制的な枠組みを含めた処遇の在り方を検討し優れた教育人材確保方策の議論を本格的に進めて参ります。
4月に発足するこども家庭庁とも連携したいじめ・不登校対策の抜本的な強化も大きな課題です。いじめについて警察等との連携を日常化・強化し、総合教育会議等を通じた教育委員会と首長部局との連携を推進します。学校内外でどこにも相談・指導を受けておらず90日以上の欠席をしている不登校の小中学生の数が4・6万人となっており、オンラインも活用した相談・指導が行えるよう拠点の整備を進めます。不登校特例校について将来的には全国で300校の設置を目指し、当面、各都道府県・政令指定都市に少なくとも1校の設置を進めます。
新学習指導要領の基本理念である「主体的・対話的で深い学び」が学校現場で実現されるよう取組を進め、STEAM教育、特別支援教育、幼児教育の充実、新時代に対応した高等学校改革の推進、健康教育及び食育の振興を図って参ります。
スタートして3年目を迎えるGIGAスクール構想については、地域や学校ごとに取組に差が生じていますが、端末更新などの次なるフェーズに向けて課題解決を集中的に進め、学校DXをさらに加速して参ります。人への投資が政府全体の大きなテーマとなる中で、教育の条件整備の一層の充実に力を尽くしていきたいと考えております。
教育家庭新聞 新春特別号 2023年1月1日号掲載
