「平安女子・男子の生活」はどんなものだったのだろうか。平安時代に作られた、あるいは平安時代が舞台になっている作品を解説しながら、支えている文化、着ているもの、住んでいるところをビジュアルで伝わるよう、豊富なイラストなどで紹介していく。
取り上げるのは『源氏物語』『枕草子』『竹取物語』『平家物語』の4つの作品。平安時代は約400年続いた長い時代であり、中国の文化に影響を受けながら、徐々に日本独自の文化が花開いていき、最後に武士の時代へ移っていった。巻頭では平安時代の主な出来事の年表や、十二単などの装束、寝殿造、かな文字、浄土信仰といった文化を紹介。この時代を俯瞰しながら、各作品の世界に誘う。
4つの作品はそれぞれ、どんな物語なのか。紫式部や清少納言…作者はどんな人物なのか。各作品の場面を紹介しながら、摂関政治や、手紙と和歌、陰陽師、女性と漢文、植物と動物、子供の成長と儀式、といった文化や政治を解説。文化財の絵についてひも解き、現代的なイラスト、人物相関図なども分かりやすい。
各作品についてはそれぞれ四~六場面を取り上げる。代表的な場面の原文には、読み方を現代かなづかいで示している(歴史的かなづかいも巻末に収録)。声に出して読みながら、平安時代の人々の生活や文化にも思いを馳せてみよう。