サヘル・ローズ/著
童心社
四六判 223頁
1650円
2020年にアメリカで人権活動家賞を受賞したサヘル・ローズ。現在はテレビ・ラジオ・映画で活躍中の彼女は、1985年に生まれ、戦争孤児として7歳までイランの孤児院で過ごす。両親、誕生日などはわからない。
義母に引き取られて愛情を受け、8歳で来日。しかし義父から虐待され、母と共に家を出て路上生活になり、見かねた学校の「給食のおばちゃん」が家においてくれたこともあったという。
彼女を追い詰めたのは貧困だけではない。見た目の違いなどから学校でいじめにあう。”死にたい”と思ったこともある。
自らの過酷な過去を明かしつつ、思春期の子供たちの悩みや不安に寄り添い、「あなたはクラスの中でどんな状況?」「誰かに傷つけられていない?」と語りかけ、経験から学びとった大切な言葉や、自分らしく生きていくヒントを綴る。
世界中を旅し、紛争で難民となった人々に支援する活動を続けている。「どうしたら戦争を終わらせられると思う?」と問いかけ、子供たちが世界に目を向けるよう、そっと背中を押している。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2025年2月17日号掲載