(公社)食品容器環境美化協会は、環境美化に取り組む全国の小・中学校を表彰する「第25回 環境美化教育優良校等表彰事業」の表彰式を1月31日、都内で開催。表彰式では地域と連携しながら環境美化に貢献する各校の取組が紹介された。
受賞校の代表者が集った
「環境美化教育優良校等表彰事業」では、独創的な環境美化教育に継続的かつ熱心に取り組み、地域社会と連携しながら「公共の場所の美化」または「飲料あき容器等のリサイクル」を実践することにより地域の環境美化に大きく寄与している小・中学校を選出し表彰している。
都道府県より推薦を受けた全国の小・中学校等の中から、最優秀校4校、優秀校6校、優良校21校が受賞した。
「特別賞・協会会長賞」を受賞した和歌山県田辺市立本宮中学校では、2011年の紀伊半島大水害で甚大な被害を受け元気がなくなった地域を少しでも明るくしようと、生徒たちが花を植えたプランターを町に設置したり、住民の家に配る活動を行い、次第に地域の人との協働的な活動へと発展していった。
復興を果たした現在は、国内外から訪れる観光客に向けた「おもてなし」を目的とした活動に深化。熊野古道を校区に持つため、損傷が著しい箇所を修復する「道普請(みちぶしん)」などに取り組んでいる。
「文部科学省」を受賞した鹿児島県肝付町立岸良学園は、独自の教科「ウミガメ科」を設置し、ウミガメの保護と環境保全に取り組んでいる。
「農林水産大臣賞」の福井県福井市美山中学校では、2004年の福井豪雨で被災。翌年、学校や川の堤防を親子で一緒に清掃する取組を開始。地域美化に貢献し、小学生も巻き込んで環境保全に尽力している。
「環境大臣賞」の福島県只見町立只見中学校では、新聞紙をリサイクルして生徒が新聞紙レジ袋を作成。地域の商店が実際に活用している。
きっかけは海での体験学習時に、漂着ゴミの多さに生徒たちが危機感を抱いたこと。プラスチック製レジ袋を減らすために、新聞紙レジ袋の活動を始めた。住民からの要望で、新聞紙レジ袋作成教室を地域で開催。その姿に刺激を受けた地元の米農家が、プラスチックコーティング肥料不使用の米作りを始めるなど、大人の行動変容にもつながった。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2025年2月17日号掲載