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学習プログラムやゲームで発泡スチロールの省資源性などを体感する~発泡スチロール協会

2025年2月26日

発泡スチロール(EPS)は、断熱性や緩衝性、軽量性、省資源性などの優れた特性があり、魚箱や断熱建材、自転車用ヘルメットなどに使われる身近な素材だ。発泡スチロール協会(JEPSA)では、中・高校生向けの学習プログラムや、スポーツエンターテインメントゲーム「STACKING BOX」の開発・イベントなどを実施。発泡スチロールの特性の普及啓発に努めている。

中・高校生が学習するプログラムを実施

同協会では、中・高校生を対象とした環境学習プログラムを実施している。東京・秋葉原の同協会を会場とし、生徒10人程度を1グループとして受け入れ、発泡スチロールの特性やリサイクルの重要性を講義や実験を通して学習する内容だ。

2024年度は、中学校57校、高等学校11校の計68校667名が参加した。コロナ禍を挟み前年度は63校で、再び増加している。教育旅行の一環として生徒たちが直接申し込む。

発泡スチロール(EPS)の原料は、発泡剤が入った直径1㎜程度のポリスチレンの粒(ビーズ)で、蒸気で加熱し、膨らませて製品化される。50倍に膨らませた場合、体積の98%が空気で構成されているため、省資源性にも優れている。発泡倍率を変えることで強度をコントロールでき、加工もしやすいことから、自転車用ヘルメット、断熱建材、家電製品の緩衝材、ビーズクッション、フロートなど用途も幅広い。最も多く使われているのは、水産物を運ぶ魚箱(ぎょばこ)や、生鮮食品の物流輸送容器といった容器で、国内で利用されている発泡スチロール全体の50.6%を占めている。

プログラムではこうした発泡スチロールの特性を紹介するため、原料のビーズに熱を加えて膨らませるようすを動画で鑑賞するだけでなく、実際にビーズや製品に熱を加えてその様子を観察したり、発泡スチロールの緩衝性を試す実験を行い、特性を体感できるものとなっており、参加者に好評だ。

実験でEPSの特性を知る

なお、使用済み発泡スチロールの有効利用率2023年度実績は92.0%となっている。そのうちマテリアルリサイクルは51.0%、エネルギーリカバリー41.0%で、マテリアルリサイクルが半分を越えている。使い捨てではなく、大切に使う「資源」として捉えることが重要だ。

講義では参加校の地元のリサイクル状況にも触れ、帰宅後も生徒たちがリサイクルへの意識を高められるよう努めている。

環境教育プログラムの申し込みや、製造工程がわかる動画、特性やリサイクル等の資料=https://www.jepsa.jp/

スポーツやエンターテインメントゲームで学校イベントを開催

同協会が普及・促進しているのが、スポーツエンターテインメントゲーム「STACKING BOX(スタッキングボックス)」。発泡スチロールの箱を積み上げ、タイムや高さの記録を競う。

発泡スチロールの箱を製造する成型加工メーカーでは、製造された箱を積み上げて保管する。箱の移動も含めてすべて人力で行われている。そのプロフェッショナルの技からヒントを得て、幅広い人が楽しめるスポーツエンターテインメントゲームとなったのが「スタッキングボックス」だ。

箱1つが約100㌘の魚箱を使用し、10個を1段として記録に挑戦する。積み上げた箱を運ぶ「HAKOMOVE(ハコムーブ)」と箱をとにかく高く積み上げる「HAKOZUMI(ハコヅミ)」の2つのチャレンジゲームがある。98%が空気という発泡スチロールの箱を使用するので安全で、だれでも安心して挑戦できる。

「ニッチロー」と一緒に子供も保護者も挑戦

スタッキングボックスのゲームを通して、発泡スチロールの特性やリサイクルの重要性を普及させることを目的に、2024年度からは、小・中学校でのイベント「学校キャラバン」を展開。高さの記録に挑戦する学校を募集し、首都圏10校で実施した。

イベントでは”スタッキングボックスの世界イチを目指す”タレントの「ニッチロー」氏を招き、子供たちや先生、保護者と一緒にゲームに挑戦する。学校で実施する場合には、小学生でも挑戦できるよう、魚箱5個を1つにまとめたものを1段として積み上げていくルールだ。

ニッチローと一緒に挑戦。子供も保護者も「STACKING BOX」を楽しみながら発泡スチロールの軽量性などを体感

2024年9月には、栃木県壬生町立安塚小学校で実施した。イベント冒頭で発泡スチロールの特性を解説。ニッチロー氏が積み上げた魚箱を運びながら登場し、子供たちの興味を引きながら、楽しくゲームを紹介しチャレンジできる構成で、保護者も一緒に真剣に取り組む姿も見られた。

同校でのイベントのようすは、STACKING BOX特設サイトで動画が公開されている。

https://www.stacking-box.com/

今年はこの「学校キャラバン」の他にも、東京の池袋サンシャインシティ噴水広場(6月)や静岡、大阪など各地での開催を予定している。

イベントを通して、同協会では発泡スチロールの「軽量性」「クッション性」などを体感してもらい、環境性なども含めたその特性を発信していく。

 

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2025年2月17日号掲載

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