「バターが不足しても牛乳が余るのはなぜ?」など、日常の素朴な疑問を入り口に、知っているようで知らない「酪農」について理解を深めることができる。
「座学編」と「実践編」の2部構成。座学編では、日本の酪農の歴史や、飼料・肥料の輸入にまつわる問題、牛のゲップによる環境破壊の問題など、酪農の現状を身近な切り口から分かりやすく解説している。実践編では、著者と酪農家を志望する学生が、3軒の酪農家と1つの農協にインタビュー。三者三様の生き方をする酪農家たちを通じて、「酪農を営むことに正解はなく、酪農家になるとは、どのような人生を生きたいかを考えること」である、というメッセージを伝える。
「座学(知識)」と「実践(スキルなど)」の両方が身について初めて、生きた学びになることから、この2部構成になっている。
酪農の世界が「わかる」ことで、世界の見方まで「かわる」ことを実感できる一冊。冒頭のモー太郎を主人公にした「酪農漫画」も、その理解を助けてくれる。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年11月18日号掲載