家庭科の学習が「好き」と回答した小学5年生は92%、6年生は85%。好きな理由は両学年ともに「調理実習ができる」からが最も多く、次は「布を使って物作りができる」だった……先ごろ全国小学校家庭科教育研究会(=全小家研、髙野正之会長)がまとめた2023年度「全国調査」の結果から明らかになった。詳細は11月22日三重県亀山市で開催される第61回「全国小学校家庭科教育研究会全国大会」で公表される。
同調査は昨年10~12月、47都道府県と5政令市の小学校5、6年生の男女約4000人ずつを対象に、家庭科学習への関心・意識、家庭生活での実践状況などを調査したもの。
家庭科が「好き」(「とても」「わりと」の合計)と回答した5年生は92%だったが、6年生ではやや減少して85%。特に「とても」の割合が大幅に17㌽減少している。5・6年生ともに好きな理由で最も多かったのは「調理実習ができる」、次いで「布を使って物作りができる」、「将来に役立つことが学べる」だった。「実技を伴う体験的な学習が児童の意欲を高めている」と考察している。
一方「好きではない」(「あまり好きではない」を含む)理由で、5・6年生ともに最も多かったのは「製作(布を縫う、ミシンの操作など)が苦手」に集中。「児童のつまずきに自力で解決できるような視聴覚教材の工夫や、1人1台端末の活用、互いに教え合う環境、個別支援が必要」と指摘する。
家庭科が「今の生活に役立っている」(「とても」、「わりと」合計)と考える5年生は92%、6年生は90%。「将来(これから)の生活に役立つ」は5・6年生共に97%。5・6年生共に9割近くが「役立つ」と考え、それ以上に「将来の生活」に役立つと考えている。特に「とても役立つ」は5年生が「今の生活」では51%だったが「将来の生活」では73%、6年生は45%から71%と大幅に増え、家庭科を学ぶ意義を理解していることが注目される。
家庭科を学習して「できるようになった」(「よくできる」「わりとできる」合計)ことを5、6年生同じ設問をしたところ、17項目ある中で、「よくできる」と「わりとできる」を合計した「できるようになった」が8割以上だったのは5年生6項目、6年生8項目で明らかに習得率が向上したことを示している。また「できるようになった」ことと「家庭での実践」は相関し、「できるようになった」という自信が意欲になり家庭での実践につながったと分析している(=表参照)。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年11月18日号掲載