学びのメカニズムをふまえながら、いかに適切な教育方法を採用して授業設計するかについて解説する。教員には「社会の変化をふまえ、学習者の変化に寄り添い、今の教育でうまくいっている部分、足りない部分を明らかにし、学習者が豊かに生きるための手立てを検討していく必要がある」。そのために著された本書では、心理学の研究者と教育工学者がタッグを組み、編著者に加え、17名が執筆した。
第Ⅰ部では、学びのメカニズムを明らかにするために、教育心理学の研究者が中心となって執筆。第Ⅱ部では、具体的にどのような教育方法を用いて授業を設計していけばよいのか、どのようにICTを活用することが望ましいのか、学習環境や外部人材の在り方、教員の成長を促す場づくりについて取り上げる。学校図書館・ラーニングコモンズについては第17章「学習環境を考える」で取り上げている。
教職の学生だけでなく、教員になった後も、授業設計に課題を感じたり、新たなツールが学びに取り入れられる時に、立ち返りたい一冊。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年9月23日号掲載