小学生の男の子たちが、回転寿司屋で食べたお皿の数を競い合う。よくある微笑ましい光景と言えそうだが「過度なマウンティングの様子が気になる」視点から本書は始まる。そのうち学歴や年収で「オレのほうがすごい!」という意識になってくるのではないか。そんな懸念の背景に何があるのか。無意識のうちに‘男らしさ’の偏った考え方を子供も大人も刷り込まれていないか。
大きな反響を呼んだ『これからの男の子たちへ』(大月書店)著者の太田氏と、「男性学」研究の田中氏の対談集。雑誌『STORY』のWEB連載を再構成し、灘中・高等学校の片田孫朝日教諭らへの取材も収録。
「『プリキュアより仮面ライダーのほうが強い』という息子が心配」「『「女子枠」は男女差別だ』と考える男の子たちに対して、どう説明するべきか」「ジェンダーレスについて楽しみながら学べるようなエンタメは」等。男女平等を目指すなら、女の子だけでなく「男の子たちにもこれからの未来をどう生きるかについてのメッセージが必要」なのだ。
教育家庭新聞 夏休み特別号2024年8月12日号掲載