元陸上競技選手の為末大氏と「教育」「アート」「生命科学」「数学」「工学」などさまざまな分野の第一人者たちが「体育」について考えた対談集。為末氏は体育を「自分を扱う技術や知識を学ぶ」学問ではないか、という。体育は何のためにあるのか。体育とスポーツは‘別物’として分けて考え、体育を捉え直し、その可能性を探る。
「自分のからだに考えを巡らす」(伊藤亜紗氏)、「『矛盾』がいろどる遊びの世界」(松田恵示氏)、「『マスク世代』の子どもに体育は何ができるのか」(明和政子氏)等々。それぞれの対談を通して見えてきたのは、体育は人間のあらゆる活動に欠かせない「からだ」と向き合う教科であり、生きていく中で直面する身体面・精神面を含めたさまざまな悩みに応えられるのではないか、ということだ。
「未来の体育共創サミット2023」とのコラボレーション企画として為末氏と、小・中・高等学校各1名の現場の教員、オンライン参加者50人との対話も収録。理想の体育とは何か、体育の目的とは何かを語り合う。
教育家庭新聞 新学期特別号 2024年4月15日号掲載