公園や広場、時にはアスファルトの隙間、さまざまな場所で見つけることができる植物、シロツメクサ。「クローバー」とも呼ばれる。ヨーロッパ原産で日本には江戸時代に伝わったと考えられている。オランダから割れ物を輸送する際に緩衝材として使われ、「白」い花が咲く「詰め草」=シロツメクサの名前になった。
著者はまち専門の植物ガイドとして活動する植物観察家。〝友達とお互いに目を合わせ、その話に耳を傾けるように〟シロツメクサとの会話の形をとりながら、花の構造や種の形、発芽から見慣れた三つ葉への成長過程、根っこの働きなど、細部まで紹介する。
白くて丸い形の花は子供から大人まで親しまれているが、丸い形は実は小さな花の集まり。バラバラにして並べると、なんと89個の花が集まっていた。20個の時も100個の時もあるらしい。たくさんのつぼみが徐々に開花し、ミツバチがやってきて受粉し、やがてしおれて種ができ、地面に倒れ、新しい葉が芽吹く。美しい写真と共に、自然への愛情や観察の面白さが伝わってくる。
<イベント案内>
「シロツメクサはともだち」刊行記念〝鈴木純の世界”
「シロツメクサはともだち」に掲載した写真のほか、収録できなかった写真や鈴木純氏がこれまで撮りためてきた植物写真を展示。また、鈴木純氏の植物観察に欠かせないツールの実物展示も予定。初日の4月20日(土)は鈴木氏が在廊する。
会期:4月20日(土)、21日(日)、26日(金)、27日(土)、28日(日)
全日程13:00~17:00 ※入場無料
会場:ブロンズ新社ギャラリー「青銅Room J」渋谷区神宮前6-31-15 マンション31 3C
鈴木純氏在廊日:4月20日(土)13:00~17:00予定
教育家庭新聞 新学期特別号 2024年4月15日号掲載