全国に200以上ある企業ミュージアムは、教育・観光・イノベーションの拠点として多くの学びが得られると人気だ。
TOTOミュージアムは、北九州市お勧めの観光施設として上位に入る。TOTOは、1914年に国産初の腰掛式水洗便器の開発に成功。しかし、下水道等のインフラが整わない当時は注文がなく、衛生陶器の需要増加を待つ日が続く。戦後の急激な近代化に伴い、信頼される住宅設備機器総合メーカーへ飛躍した。企業の歴史から、社会の流れをより具体的にイメージできる。
大阪市のまほうびん記念館は完全予約制。象印マホービンの広報部社員がガイドをするため、平日のみ1日3回の見学スタイル。「温かいものを温かく、冷たいものを冷たく」という「熱の管理」に対する情熱を伝えてくれる。国際宇宙ステーションの実験に使うステンレス製の真空断熱容器は、打ち上げの衝撃に耐える強度を実現。高い技術力を世界に示す。
企業の視点から、暮らしと技術のつながりがより深く理解できる全16施設を取り上げる。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年2月19日号掲載