国立天文台が編纂する『理科年表2024』『環境年表2023-2024』が昨年11月、丸善出版より刊行された。
『理科年表』はサイエンスの全分野を網羅する世界的にもユニークなデータブック。1925年(大正14年)に創刊、以降毎年発行し(1943~46年は休刊)、2024版で97冊目となる。
地球の形や大きさは?世界の表面水温図は?日本国内の気象観測平年値と最大記録は—暦部・天文部・気象部・物理/化学部・地学部・生物部・環境部の7部門のサイエンス基礎データとして、研究者や技術者、理科教育関係者など幅広い読者層に支持されている。
各部で最新のデータに更新され、興味深いトピックスも収録。2024版では、超深海の世界(生物部)、近年の日本の異常気象と地球温暖化の影響(環境部)などを取り上げている。
併せて活用したいのがオフィシャルサイト(https://official.rikanenpyo.jp)。
『理科年表』に収録された表やデータについて、各部門の専門家が数字の意味などを詳しく解説する「徹底解説」コーナーや、バックナンバーから秀逸なトピックスを紹介する「りかトピ」も。さらにイラスト記事「理科年表の楽しみ方」では`なぜ『理科年表』が毎年11月発売なのか‘といった情報も楽しい。
なお創刊時からのデータを収録したオンラインデータベース『理科年表プレミアム』(会員制・有料。小・中・高等学校は年間・税別1万2000円など)もある。
理科年表シリーズ 第8冊『環境年表2023-2024』は2年に1回発行される「環境」に特化したデータブック。
地球温暖化・異常気象・酸性雨・水循環・陸水環境・海洋環境・火山・バイオーム・生物多様性といった地球上の自然環境や、太陽活動など宇宙からの要因、エネルギー・化学物質・廃棄物・農作物など産業や生活に密着したテーマ、感染症など人々の健康に関わるテーマなど、幅広い科学データを扱う。トピックスではノーベル物理学賞を受賞した眞鍋淑郎氏による気候研究や、福島原発事故後の放射能汚染の現状などを解説している。
データや経年変化から読み取れることを通して、現代社会の課題や持続的な発展について考えを深められる。
※価格はすべて税込
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年2月19日号掲載