新型コロナワクチンで有名になったmRNAの研究者であり、2023年ノーベル生理学・医学賞を受賞したカタリン・カリコ博士の伝記絵本。
カタリンはハンガリーで生まれ育った。ある日学校で、顕微鏡を使って細胞を見る方法を教わる。小さな細胞が集まって自分の体ができていることに驚く。「科学者になりたい」と家族に話すと、お母さんは「あなたがノーベル賞をもらうのを楽しみにしているわ」。
その後カタリンは色々なサイエンスキャンプにに参加し、14歳の時には科学オリンピックに出場、3位入賞を果たしている。
やがて大学院を卒業し、mRNAに注目。40年間にわたり、さまざまな困難の中でも諦めずに研究を続け、ついにmRNAのワクチン利用に道を開く方法を発見する。この発見のおかげで、新型コロナウイルス感染症のワクチンが速やかに作られた。
mRNAの仕組みの図解等、科学的な興味も湧く。「本当のところ、これは仕事というより情熱なのです」。カリコ博士らの言葉の数々にも注目。
教育家庭新聞 新春特別号 2024年1月1日号掲載